情報確認日:2026年10月12日
2026年9月18日付の公式発表で、音声を文字にするモデル「Grok Voice Transcribe 2.0」が紹介されました。開発元は、独自の評価で1.0と比べて精度が2倍になったと説明しています。料金は据え置きです。公式発表
この記事では、精度の主張と根拠、使える機能、料金、そして日本語の動画や会議で使う前に確かめたいことを整理します。
この記事の要点は次のとおりです。
- 開発元は独自評価で精度が1.0の2倍になったと説明。現行料金は録音ファイルが1時間0.10米ドル、リアルタイムが1時間0.20米ドル
- 9月18日の公式発表では、Artificial Analysisのリアルタイム文字起こし32モデル中、精度1位と紹介
- 話者の区別、単語ごとの時刻、専門用語の登録などが追加料金なしで使える
- 日本語を含む38以上の言語に対応。この記事では日本語音声による比較試験は行っていない
- 開発者向けのAPIで提供。1.0は10月2日に提供終了し、旧モデル名へのリクエストも2.0へ転送される
Grok Voice Transcribe 2.0とは
Grok Voice Transcribe 2.0は、音声を文字に起こす「音声認識」のモデルです。Grokの音声会話機能を支える音声の基盤モデルをもとに作られています。
開発元によると、Grokの音声機能は、1日に数万件のカスタマーサポートの通話や、数百万時間の動画ナレーションの文字起こしに使われています。テスラ車に搭載されたGrokアシスタントも、この音声技術で動いているとしています。雑音の多い場所で録られた多言語の音声で学習させた点が特徴です。
精度:何と比べて、どれくらいか
開発元は、電話回線の途切れ、複数人の声の重なり、なまり、読み上げられた電話番号やメールアドレスといった、現実の難しい音声に強いモデルを目指したと説明しています。精度の公式説明
| 評価 | 2026年9月18日の公式発表 |
|---|---|
| 外部の比較サイト(Artificial Analysis) | リアルタイム文字起こしの32モデル中、精度1位 |
| 電話音声(英語のサポート通話、8kHz) | 試したすべてのモデルを上回った |
| 会話・認証情報(電話番号やメールなど)・短い音声指示 | すべてで1.0から改善 |
| 短い音声指示(19言語) | 単語の誤り率が20.6%から6.8%に低下 |
社内評価の4つのデータは、実際の利用から集めたものとしています。電話音声、会話、認証情報はいずれも英語のデータです。これらは開発元が公表した結果で、この記事で日本語の録音を検証した結果ではありません。順位も発表時点の紹介です。
使える機能
公式の開発者資料で、単語ごとの時刻、話者の区別、用語の登録などが案内されています。機能・設定の公式資料
| 機能 | 内容 |
|---|---|
| ファイルとリアルタイム | 録音ファイルやURLの文字起こしと、音声をその場で文字にするリアルタイム処理の両方 |
| 単語ごとの時刻 | 各単語の開始・終了時刻を出力 |
| 話者の区別 | 話者を区別するラベルを付ける。追加料金なし。人名を特定する機能とは異なる |
| 複数チャンネル | 最大8チャンネルを別々に文字起こし |
| 専門用語の登録 | 1回の依頼で最大100語まで、製品名や医療用語などを指定 |
| 表記の整形 | 数字、日付、金額、電話番号、メールアドレスを書き言葉の形で出力 |
| つなぎ言葉の除去 | 「えー」「あのー」のような言葉を省く。設定で残すこともできる |
| 話の区切りの判定 | 音声エージェント向けに、相手が話し終えたかを判定する |
現行の開発者資料には、日本語(ja)を含む38以上の対応言語が記載されています。言語の自動判別に対応し、開発元は録音の途中で言語が切り替わっても追えると説明しています。対応言語に日本語が含まれることと、手元の録音で正確に起こせることは別に確かめる必要があります。
料金の目安
料金は1.0と同じです。話者の区別、時刻、専門用語の登録は料金に含まれます。現行の公式料金表
| 方式 | 料金(音声1時間あたり・米ドル) | 100時間分の目安 |
|---|---|---|
| 録音ファイル(バッチ) | 0.10ドル | 10ドル |
| リアルタイム(ストリーミング) | 0.20ドル | 20ドル |
100時間分の目安は、公式の単価から計算した参考値です。API利用には別途、開発元の開発者アカウントが必要です。
カネさんの視点:安さより精度と、確認・修正のしやすさを
料金が安いのは助かるけれど、間違いを直す手間が多いと意味がないので、私は精度を重視したいです。
特に、人名や数字、発言の意味が変わるような誤りは減らしてほしいと思います。
元の音声と照らして、確認・修正しやすい仕組みがあるといいと思います。
導入事例:Atlassian Loom
公式発表では、画面録画を共有するサービス「Atlassian Loom」が、従来の仕組みより正確だったとしてGrok Voice Transcribe 2.0を採用したと紹介されています。Loomで話した作業の指示を文字にし、そのままコード編集ツールのCursorに渡して修正まで進める使い方が紹介されています。
1.0を使っている人への注意
1.0は2026年10月2日をもって提供終了しました。公式リリースノートでは、旧モデル名「grok-voice-transcribe-1.0」へのリクエストも、同じ料金で2.0へ転送されると案内されています。旧モデル名を指定しても1.0を使い続けられるわけではありません。1.0終了の公式案内
現在は、モデル名を省略した場合も2.0が標準で使われます。
分かったこと・まだ分からないこと
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 分かったこと | 現行料金(1時間0.10米ドル/0.20米ドル)、使える機能、日本語を含む対応言語 |
| 分かったこと | 9月18日に開発元が紹介した比較順位と独自評価、10月2日の1.0終了と2.0への転送 |
| まだ分からないこと | 手元の日本語録音での精度、修正にかかる時間。この記事では実測していない |
| まだ分からないこと | GrokのアプリやXで、一般の利用者がこの文字起こしを直接使えるか |
使う前の確認ポイント
- 日本語の音声で小さく試す:日本語対応は開発者向け資料で確認できます。実際の精度は、手元の音声で人名・数字・発言の意味を照合し、修正にかかる時間も見て判断します
- 固有名詞は登録しておく:人名や地名、番組名などは専門用語の登録(最大100語)を使うと、誤変換を減らせる可能性があります
- 元の音声と照らす:単語ごとの時刻を手がかりに、気になる箇所を聞き直します。字幕に使う場合は、字幕ファイルの形式に整える作業も必要です
- 個人情報を含む録音の扱いを決める:会議や通話の録音を外部のAPIに送る前に、社内のルールや相手の同意を確認します
まとめ
Grok Voice Transcribe 2.0は、開発元が精度の向上を説明する文字起こしAIです。1時間0.10ドルという価格は、会議録音や動画の書き起こしを大量に扱う人にとって魅力的な水準です。
日本語で使うなら、まず手元の音声1本で試し、人名や数字、発言の意味が正しく起こされているかを確かめたいところです。料金に加えて、元の音声を確認する作業や、修正にかかる手間も見て選びましょう。
出典
- 公式発表「Introducing Grok Voice Transcribe 2.0」(2026年9月18日)
- 公式開発者資料:音声認識(Speech to Text)
- 公式料金表:Voice API
- 公式リリースノート:1.0の提供終了(2026年10月2日)
- Artificial Analysis:リアルタイム文字起こしの比較
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